2013年12月にステント型回収デバイス(ソリティア)が承認されました。その後、同様のデバイスでトレボというものも販売されています。
本邦では「メルシー」といわれる“コルク抜き”のような形をしたものが使用されていましたが、非常に硬いデバイスであり、出血性合併症が多いことが問題でした。
その後には「ペナンブラ」といわれる血栓を砕いて吸引するデバイスが承認され、これは改良を重ねられ現在も使用しております。
2015年には6つの海外で行われた臨床試験で、「t-PA後も脳主幹動脈(太い動脈)に血栓が残存している場合に、血栓除去デバイスによる血管内治療が有効」と認められ、以下の条件を満たす場合に血栓回収療法が推奨されるようになっています。
- 発症前に重度の障害がない。
- 発症から4時間半以内にt-PAが投与された。
- 脳主幹動脈(太い動脈)に血栓がある。
- 18歳以上である。
- 急性発症で症状が重症である。
- 画像上、脳梗塞の範囲が狭い。
- 発症から6時間以内に治療が開始できる。
(ホームページ;“脳卒中をやっつけろより”引用)
当院でもこれらの適応に合致される患者さんに対しては積極的に治療を行い、良好な結果が得られています。
写真は左完全麻痺、意識障害を呈してこられ、治療を行った結果、翌日には回復され症状なく帰られた患者さんのものです。
図1
図2
図3
図4
(図1;血栓回収前、図2;血栓回収後、図3;ステント型血栓回収装置(COVIDIENホームページより引用)、図4;実際に摘出した血栓)