Penumbra(ペナンブラ)システムについて

Penumbra(ペナンブラ)システムについて

脳梗塞(急性脳動脈閉塞)が発症した場合、少しでも後遺症を軽くして、社会生活に復帰するためには、詰まった血管を一刻でも早く確実に再開通させることが必要です。

現在、第一選択となっている治療法はt-PAという点滴から投与する薬剤です。ただし、この治療法は発症後3時間以内に治療を開始しないといけないなど制約が多く、治療を受けることができる患者さんは脳梗塞発症の1/20以下というのが現状です。

t-PA適応のない患者さんやt-PAを投与したけれど、効果がみられなかった患者さんの治療を行うために注目が集まっているのがカテーテルによる治療方法です。

以前(翠清会ニュース2011年2月号)ご紹介いたしましたが、2010年10月にMERCIリトリーバー(以下MERCI;メルシー)が日本で認可されました(図1.2)。これは薬で溶かすのではなくカテーテルを使って血栓を取ってくる治療法(機械的血栓回収療法)です。

   
 

海外からの報告では、急性脳動脈閉塞は治療しなければ約50%の方が亡くなり、家庭復帰率も15%程度でしたが、MERCIで治療された患者さんの4割が家庭復帰を果たし、死亡率も1/3程度まで下げることができました。ただし、MERCIは頚動脈などの太い血管では威力を発揮しますが、枝分かれした細い血管では、血管壁を傷つけ脳出血を来たす可能性がありました。

 

脳梗塞の新しい脳血管内治療方法
Penumbra(ペナンブラ)システム

そこでPenumbraシステム(以下Penumbra;ペナンブラ)が最近になり認可されました(図3.4)。Penumbraは血栓を掃除機のように血栓を吸引して回収する器具で、MERCIよりも細い血管にやさしく、血栓を回収します。これにより今後さらに脳梗塞患者さんの予後を向上させることが期待されます。

   図-4 Penumbraシステム
図-3 Penumbra システム                       図-4  カテーテルとセパレーター

現在、脳卒中患者数や治療実績などから、広島県内では当院とマツダ病院、大田記念病院の3施設でのみPenumbraが導入され、使用可能となっています。

脳梗塞に対する治療はt-PA、MERCI、Penumbraと新たな治療法が導入されてきていますが、どの治療法がいいのかは、脳梗塞や閉塞血管の部位、発症から来院までの時間、画像所見などにより判断されます。しかし、まず大事なことは脳卒中を思わせる症状があればすぐ病院に行くことです。普段から脳梗塞の症状に注意し、症状に気づいたらすぐ病院へ、そして、その時に適切な治療が受けることができる病院がどこにあるかを調べておくことも重要です。

参考文献;NO!梗塞.net(ノウコウソク・ネット)、脳卒中をやっつけろ(ブログ)

                        副院長・脳神経外科部長 須山嘉雄

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