頭蓋内動脈狭窄症に対する血管内治療(カテーテル治療)について

頭蓋内動脈狭窄症に対する血管内治療(カテーテル治療)について

頭蓋内動脈狭窄症とは脳内の太い動脈が細くなることで、それが原因で脳への血流が悪化すると脳梗塞になります。

治療方法はまず内科的治療(内服や点滴)を行うことが多いですが、内科的治療のみでは、一度脳梗塞をされた場合は、脳梗塞の再発率は8-10%/年間、再発または死亡率の合計が年間に24.2%と高く、狭窄部位や程度によっては脳血管内治療(カテーテル治療)やバイパス手術が行われます。今回は脳血管内治療についてご説明いたします。なお、バイパス手術につきましては、当院ホームページに記載がありますのでご参照ください。

血管(特に動脈ですが)を拡張させる(風船でふくらませる)手技をその略語をとってPTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty:経皮的血管形成術)といいます。この手術の利点は局所麻酔で行えること、順行性(本来の流れる方向)血流の再開が得られることがあげられます(バイパス手術の血流は一部で逆行性です)。しかし、一方で解離(血管の壁が裂ける)、血管破裂、などの重篤な合併症が5-33%に生じることが報告されています。

最近は、これらの合併症を低下させるために、様々な大きさや長さ、硬さの風船(図.1)や、風船の外側にステントと呼ばれる金属製の筒をマウントさせたカテーテル (図.2)が用いられています。

 

       

▲図1.Stlyker HPより          ▲図2.Terumo HPより

 

治療適応については、頭蓋内動脈狭窄症のあるすべての患者さんで行えるわけではなく、狭窄度や狭窄部位、脳血流状態、カテーテルが病変まで上がるかどうかなど、十分な検討が必要です。実際の治療前、後をお示しします(図.3)。

 

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