グリオーマ(神経膠腫)について

グリオーマ(神経膠腫)について

グリオーマとは、原発性脳腫瘍(転移性ではなく、脳自体から発生した腫瘍)の約4 分の1 を占め、
髄膜腫に次いで2 番目に頻度の高い脳腫瘍です。神経膠細胞(グリア細胞)から発生すると考えられ
ていますが、原因はわかっていません。腫瘍の部位や大きさによって、麻痺、失語、てんかん発作、
頭痛など様々な症状が起こり得ます。無症状で偶然見つかる場合もあります。暫定的な診断はMRI 検
査で可能ですが、確定診断には病理検査(腫瘍組織を採取して顕微鏡で観察する)が必要となります。

グリオーマはWHO(世界保健機関)によりgradeⅠ~Ⅳに分類され、grade によって治療法や予
後が異なります。gradeⅢないしⅣのものは一般的に悪性神経膠腫(malignant glioma)と呼ばれ、
手術で摘出した後、放射線治療や化学療法を行うことが多いです。gradeⅡのものは摘出術や放射線
治療を考慮しますが、通常化学療法は行いません。gradeⅠのものは稀ですが、手術で全摘出できれ
ば治癒可能といわれています。ただし、いずれの場合も、腫瘍が特に重要な機能部位(手足の運動神
経を含む部位、脳幹など)に存在している場合には、摘出術を行わず、生検(腫瘍組織を少量採取する)
にとどめたり、放射線治療のみとすることがあります。

gradeⅣの脳腫瘍の多くは膠芽腫(glioblastoma)と呼ばれるもので、摘出技術や化学療法の進
歩により予後は改善されてきているものの、再発は避けられず、非常に悪性度が高い腫瘍だと考えら
れます。ただし、最近では腫瘍の遺伝子型により化学療法の感受性(効き具合)が異なり、それによ
り予後も異なるということがわかってきています。今後、さらなる遺伝子解析や化学療法の進歩による
予後の改善が期待されます。

 

 

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